道着が教えてくれること。
そもそも、
なでしこ合気道を始めたきっかけは、
「道着を着ること自体に、まず勇気がいる」
という女性の声を聴いたことからでした。
それなら、
武道とまったくご縁が無い方も始めやすい
間口を広げたクラスの提案ということで
道着も着なくてOK♪のヨガ的スタイルで
なでしこ合気道は、スタートしました。
私自身も、始めは出来るだけ道着を着ないで
教えていたのですが…。
ヨガウェアの時と、道着の時では、
身体の使い方のバランスが違うのを
何となく感じながらも続けていたわけです。
ところが、ある日、そのギャップの溝が
もう埋められなくなってしまってから
道着姿で教えるようになりました。
道着を着ることで受ける恩恵は、
大きく三つあります
一、丹田が意識しやすくなる
帯を締めることで、
重心が自然と落ちやすくなる
一、集中力が増す
ひとたび道着を羽織れば、スイッチが入り、
頭も気持ちも切り替わり、稽古に集中できる
一、一体感を産み出す
みんなが道着を着ることで
職業も肩書きも脱ぎ捨てて、
上達という頂きを見据える
ただただ純粋な幼稚園児のような気持ちで
稽古に励むことができ、
それが自然と仲間意識や一体感を育みます。
加えて、もう一つ。
それは、“ 真っ白になる ”
白色には、
けがれを払い清らかにする力があるとされ
昔から神事で用いられている色。
道着を着ることで、純粋無垢な心で
まるで神様に奉納するような
謙虚な気持ちになることができます。
これはカタチサキ(形先)という概念で
白色を身にまとうことで、
物質から心に働きかけ、誘導するワケです。
カラダを献上するという意味で、
道場では「献体(けんたい)の型」という
オリジナルの型があるほどですが、
達人の技が、神懸かりと表現されるのも
献体状態だからに他ありません。
目指しているのは、それくらいクリアに
“真っ白になる”ことです。
合気道は、自分本意なマインドでは
決して上手くいきません。
自意識や自尊心を取っ払って、
初心に帰れる色が選ばれているんですね。
白帯もまた、そのような心的作用があり
そんな奥深いシステムまでもが
とても素敵だと思える武道の一面です。
なでしこ合気道は、
もちろん今も道着なしで参加OK!!で
強制はまったくしていませんが
気づけば道着を買われて参加くださっている
姿を拝見すると、嬉しくなっている私です。
昨日は、なでしこ合気道の30回目でした。
30回なんて大したこと無いじゃん
と一蹴されてしまいそうですが、
24時間365日体制、いつ何時でも
ひとたび電話が鳴れば、即出動が当たり前。
そんな助手生活の中で、なでしこ合気道の
時間を確保することは、それなりに難儀で、
とても大きな意味を持つ試みでした。
おかげ様で、みなさんに育てて頂きながら
今では、男性クラスを三木師範代が指導する
市民権まで得たことに感慨深い思いでいます
昨夜は、初参加の方もいらしたので
これまでのスタイルを少し変え、
一回でも参加した甲斐があるように
三枝メソッドの基本をしっかり練習しました
そして、回数を積み重ねられてきて、
身体の感覚が目覚め始めた常連の方達には
引き続き、その感覚を磨いていただきたく
小樽道場へも積極的に参加できるよう
そのステップになるような指導を心がけて、
年内目標にいたします。
次回のなでしこ合気道は、12月2日(金)
初めての方も勇気を持って是非、どうぞ。