からだを信じて生きてみる

サエグサ流メソッドを知って、からだの声を聴いて、もっと自分らしく! サエグサ龍生(三枝誠)の娘ブログ。

台所と食卓と、ジェイミー

 

ジェイミー・オリヴァー

 

この人を初めてメディアで見たのは、

たしか、私が高校生の時で

ファッション雑誌の料理対決で、

ケンタロウと対戦するイケメンシェフ

というような紹介だった。

 

なぜかあの記事だけを切り抜いて

ずっと私の本棚に保管していたのは、

今でも不思議だなと思う。

 

 

その彼をもう一度目にしたのは、

それから10年ほど経った、数年前。

あの時とは、ガラリと印象が変わって、

こんなメッセージ性の強い活動をする

料理人になっていました。

 

www.ted.com

同じスピーチの文字起こし&まとめのリンク↓(お時間ない方は、こちらを)

ジェイミー・オリバー 「子ども達に食の教育を」 (TED Prize授賞講演) | TED Talk Subtitles and Transcript | TED.com

 

 

食育革命」と題して、

彼はとても分かりやすく食の現状を

子ども達や親御さんに伝えています(13分)

 

vimeo.com

 

彼は、“肥満対策”という

分かりやすいテーマを扱っていますが

志しているのは、もっと大きなことでしょう

 

(彼についてのエピソードを拾い読むと、
ちょっと変わった人間なのが分かります。
そんな感性の持ち主だからこそ、
こんな活動が出来るのだと、私は確信しているのですが。)

 

給食一つとっても、仕組みを変えることは、

労力が必要で、簡単ではありません。

それでも、実際に、素晴らしい給食を

提供できている学校が日本にもあります。

彼と同じく、愛情深く、

燃え尽きない情熱の持ち主がいるものです。

 

 

日本には、素晴らしい食文化がありました。

1997年。当時のアメリカ大統領は、

医療費増大の原因究明に

アメリカ上院栄養問題特別委員会に

世界的調査を命令し、その報告書が

マクガバン・レポート」としてまとめられ、

その中で、

最も理想的な食事は『元禄以前の日本食』

との記述が残っているほどです。

 元禄以前の日本食』ですから、

昨今の日本の食事ではありませんね。

 

 

食事だけでなく、台所も食卓も

危機に瀕していないでしょうか。

 

 

台所は、命を預かる大切な場で、

親から子へ食の智恵が受継がれる場でした

家族間の会話の場だったり、

マナーを注意される緊張の場だった食卓も

今は囲まれることが少なくなりました。

 

おふくろの味は、スーパーの総菜に変わり

母親の料理の温かみは、

電子レンジの温め機能に成り代わり

箸の持ち方も、座り方も注意されることなく

コンビニで買ってきたものを並べ、

それらが元々、どんな姿形で

何という野菜かもわからず食べ、

家族間のコミュニケーションも希薄で

イジメや人間関係で悩んでいるのかも

気づけない、サインを送るきっかけも

無くなってしまったように感じます。

 

 

台所と食卓が担っていた

あまりにも大きい役割は、

果たされずに途絶えつつあります。

 

 

 

それでも、

日本食の素晴らしい智恵は残っています。

醤油・味噌・梅干し・ぬか漬けなど

発酵食のレパートリーは豊富で、

ひじき・切り干し大根・干し椎茸など

栄養を閉じこめる乾物技術も高く、

それらは、地味ながら

驚くほど身体を内側から元気にし、

精神をも支える力を持っています。


 

 

ジェイミーは、ジェイミーの立場から、

私たちは、私たちの立場から、

できることがあるのではないでしょうか。

 

 

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途絶えたっていいのです。

今一度、

スタンダードを築いていけばいいのだから。